第22号
2002年2月24日発行
寿屋閉店、テンナントに救済を
「2・6中小業者大会」に参加して
班訪問―八幡西民商
一人ひとりの怒りを結集―婦人部
商売繁盛―崎田裕子さん(西福岡民商)
大腸ガン健診と健康講座―中間遠賀民商
ひとくち人生講話―南福岡民商
 
 

いまのまま営業を続けたい!
――寿屋閉店、テナントに救済を――

 
 「小さな業者は死ね!と言うことか。詐欺と同じだ!」――民事再生手続き中の九州大手スーパー寿屋(本社・熊本市)に入居していた福岡市内の14のテナント業者16人は、福商連や東福岡民商などとともに15日、福岡合同庁舎内の九州経済産業局にたいし、営業ができず生活に困窮する実態を訴え、救済措置をとってほしいと要望しました。
開業して1年未満で閉店したエレデ寿屋空港店

  これにさきだち2月13日、東福岡民商の呼びかけで寿屋の新宮店(糟屋郡新宮町)、松崎店(福岡市東区)、寿ベーカリー(同)のテナント業者19人が参加、現状を出しあいました。

 会議では、「説明も何もなく突如、契約解除の通知が来て、2月1日から休業となった。このままでは、固定客が離れてしまう。一日も早く営業を始めたい」、「みんな従来通りの条件で営業を続けたい気持ちだ。スポンサーが変わって同じ契約でやってくれるかどうか分からない」、「保証金や敷金は本当に返らないのか」、「保証金だけでも返して貰えば、それを資金にして新たに営業を開始することができる」など様々な意見やまた、「民事再生法で助けられるのは寿屋で、テナントには何の保証もない」といった怒りに満ちた発言が相次ぎました。

 「このままでは、泣き寝入りになる。何らかの運動を起こそう」となり、相談窓口に大挙押し掛けることになりました。

 要請に参加したのは、寿屋の新宮、松崎、津屋崎(糟屋郡津屋崎町)などで営業をしていた酒店や魚屋の業者たちで「事前に説明もなく、一方的に文書で契約解除の通知がきた」「営業してなくても償金の返済は続いており、生活がひっ迫している」「(寿屋に)入店するために、借金をしたり蓄えをつぎ込んだ。何の説明もなく契約解除とは…。早く返して欲しい」「テナントで雇っていたパートも失業。被害が波及しており、早急な保障が必要」と実情を訴え、「私たちは一生懸命働いて税金を納めてきた。こんな時こそ行政は助けてほしい」、「寿屋のスポンサーが決まったとき、せめて営業を続ける寿屋店舗については、敷金も保証金も継続で、そのままテナントが営業できるよう働きかけてほしい」と求めました。

 応対した流通産業課の安永誠司課長補佐は、「法的に行政は介入も仲裁もできない、当事者間で話し合ってほしい」、「こういう相談があったことは寿屋側に伝えます」と答えるにとどまりました。

 相談終了後、、参加者は福岡地区の「被害者の会(仮名)」を結成しました。

 同会は23日、熊本市の寿屋本社に「テナントだけでも営業を再開させてほしい」と要請。会社側は、この要請について協議すると回答しました。

瀬川県議(右から2人目)もいっしょに
実情を訴えるテナント業者
 



「2・6中小業者決起大会」に参加して(感想文)
平元和敏(直鞍民商)

小泉内閣の押しつけ政治が続く中での「2・6中小業者決起大会」。全国から集まった仲間の声に元気をもらって帰ってきました。保団連もそうですが、コンビニFC、鎌田民商の仲間の声にも涙なくして聞けませんでした。

 私たちの身辺にも同じく今日に立たされて、『命を絶つ決意をせまられる中小業者が山ほどいることを忘れてはならない!明日からの運動につなげて行かねば…』と決意を新たにした1日でした。
 ともにガンバロー

福商連からは30人が参加省庁交渉にも6人が参加

班訪問I
これから班づくりへ

八幡西民商香月支部・新町班

2月18日夜、八幡西民商・香月支部の新町班の申告班会が、岩男忠明さん(畳製造)の自宅でおこなわれました。7時すぎからぽつぽつ集まり、夫婦で参加の人も含めて8人になりました。

 香月支部は八幡西区の南部に位置し10班ありますが、班長のいる班は4班、新町班はこれから班づくりをすすめようとしている班のひとつです。

 申告時期には、集まって班で計算会をおこないます。支部役員会では班確立の努力がすすめられていますが、班長ができていない班には支部役員がそれぞれに参加しています。
今日の参加はバイク屋さんや自動車修理、駄菓子屋さんなどさまざま。中堀義夫事務局次長が、申告書が変わったことや「資金繰りの悩みなど困っている業者に声をかけてぜひ紹介を、また商工新聞をすすめてほしい」と訴えました。そのあと確定申告書作成に入りました。

 収支計算はほとんどの人ができていますが、新申告書は「収入欄」が表に記載されたことなどで、欄間違いをしたり記入などでとまどい、質問しながら申告書控えの作成に一生懸命です。会場を提供した岩男さんの息子さんが青色申告でなれていることから、ほかの会員さんに親切に説明など記入の援助をします。

 「年金収入の扶養控除対象となる上限は」の質問など気軽に話がはずむなかで、申告控え作成は8時半ごろほぼ終了、そのあと話し合いになりました。

 2つの署名のお願いと紹介カードが渡され、その場で「だれでも書いていいですか」など聞きながらみんなが署名しました。消費税増税に対しては「もっとみんなで怒るようなたたかいが必要では」という政治への憤りの発言もだされました。また「昔はどんぶり勘定の計算をしていたが、いまはそれではダメ、若い人のほうがキチンとしている」など自主計算の大切や、商売や景気のことなどいろいろと話がはずみました。

一人ひとりの怒りを結集
日本母親大会へのとりくみ
婦人部協議会
 今年7月に日本母親大会が、福岡県で開催されることから、今、全県の婦人部で大会開催を知らせ、財政づくりもかねて梅の花要求シールを普及しています。このシールは、大会当日の舞台を飾る大タペストリーになります。

 筑紫民商婦人部は、班会に婦人部役員が出席して「日本母親大会IN福岡」のチラシを読み上げ、「一緒に参加しよう」と呼びかけながら、梅の花シールに要求を書いてもらったり、環境に優しい抗菌防臭ふきんをカンパも含めて販売しています。要求シールには「仕事よこせ」「中小業者を守ってほしい」「景気回復を」「高い国保税なんとかして」と今のきびしさを反映した怒りや願いがいっぱい詰まっています。

(写真は班会で訴える筑紫民商の倉住廣美さん)

商売繁盛(22)個性を生かし「食」を発信

崎田裕子さん(西福岡民商)

崎田裕子さんが、開店して26年の自然薯(じねんじょ)と魚料理の店「わらじや」を引き継いで、8年となります。
開店当初から「家庭料理」を基本にやってきましたが、知り合いの生産農家から、自然薯を使うことをすすめられ、昔から家では食べていたし、栄養価も高く、レパートリーも広がる良い食材だと考え、店で使うようにしました。使い出した当初は、年間通じて出すための保存に苦労しました。
 「自分で育てた野菜を店に出して食べてもらう」ことが理想で、まだ、そこまで行き着いていませんが、できるだけ、自分の身近で同じ空気を吸って育った野菜を食べてもらおうと、近所の農家と契約したりしています。
5年前から、糸島郡志摩町で新規就農者として自然薯を作り始め、ようやく昨年から店の分を賄えるようになりました。
農業を始めて、お客さんに自分や知人の作った野菜を食べてもらい、直に反応を見て、「食」への考えを少しでも分かってもらえることで、飲食業の方も楽しくなりました。
 「わらじや」に来ることによって、野菜が、どんな所で、いかに作られ、どういう経路で自分たちの口に入るのかを知ってほしいし、食材を選ぶ事や考えるきっかけになればいいなと思っています。
従業員とも「連携プレーなしで店は成り立たない」と、「目くばり、気くばり」ができ、「ホッとして、おいしいものをおいしく食べられる店」をめざし、「わらじや」の個性を出すように努力しています。そして、その個性を生かし、「食」に関することを発信していくこと、それがこの商売のおもしろさだと、がんばっている崎田さんです。
 

崎田裕子さん
店内
自然薯と魚料理の店「わらじや」
福岡市早良区祖原14-6
092-851-9791

大腸ガン健診と健康講座
―中間遠賀民商共済会―

中間遠賀民商共済会は、14日夜「健康講座」を30人の参加でおこないました。
これにさきがけ、昨年11月26日から12月末までを期間として、全会員に大腸ガン検査の容器を渡し、大腸ガン検診にとりくみました。これを51人が受診し、そのうち18人が14日の講座に参加しました。
講座は、直方診療所の田村俊一郎先生から、検査の結果の見方、健診の意義などが話され、終了後は、看護婦さんによる血圧測定や、田村先生の個別の医療相談が行われ、日頃気になっていることなどを気軽に相談でき、大変好評でした。
(写真は、1月の県連共済会学習・交流会)
ひとこと人生講話
南福岡民商・大橋支部
喜びも悲しみも幾年月
その道一筋
仕事のプロ集団
わが民商
 南福岡民商大橋支部(内野肇支部長・土木)は、支部役員会のなかで「ひとくち人生講話」を月1回のペースで開催、支部の会員さんにも案内しています。

 「喜びも悲しみも幾年月。その道一筋、仕事のプロ集団、わが民商!語っていただきます。会員さんがご自身の仕事や人生を!」と題して、同支部ニュース(写真右下)で、毎月の講話予定者も掲載し、知らせています。

 参加者から、自分が店を出したときの経験も出されて、経営者どうし知恵も出し合いながら交流しています。

 2回目(2月18日)は、「カットを通じて夢を売る」と題して、夫婦で理容・美容店を経営するの岸本潤一さん(カットサロンJUN・写真前列右端)の講話です。

  福岡市南区野多目のがんセンターの近くで6年前にオープンし、従業員含めて4人体制でやっています。地域の人と親しくでき、気軽でお茶を飲んで将棋を打って帰れるような雰囲気や、腹の底から笑えて、リラックスできる店づくりをして、喜ばれるようにしたいと思います。同支部の崎田さんから「チラシをまいて地域の人に知らせていったら」とアドバイスを受け、早速実行し、店が地域にとけこんでいる実感がみえてきました。新しい人、知らない人、まだ来ていない人もいるので、地域密着型の店をつくっていこうと思います。

 「他店が50%OFFなどするのでうちもやってみよう」とキャンペーンをはったら1回目は的中してお客さんがきてくれましたが、2度目はそんなにとびつかない。これは信用だなと思いました。安く売るのもいいことだけど、質、気持ち、体制、接客などに気をつかっていこうと努力しています。

 お客さんと壁をつくらないよう笑顔の接客でいきたいと思います。そのためには頭の回転と知識がいります。こういう場所で発表という形で話させてもらって勉強になっています。

―ご夫婦で営業されていて気をつけられている点は―

 家庭のことは店に持ち込まないというけじめをつけて、店では私がオーナーというかたちを取っています。

―お客さんの層は―

 年齢、男性、女性を問わず、来てくれています。私(40歳)と同年代の方が多く、若い人もたくさんこれるように若い従業員を入れて若い考え方、感覚を入れるようにしています。また子どもづれがきたら、子どもを中心に考え、遊んだり、楽しくするようにし「ここまでしてくれる」という親の気持ちを大切にしています。

 また、年齢の高い人は、良い物を持っていると思います。話の聞き上手になって受け入れられる状態をつくっています。

 「いい仕事ができた」という熱い思いで仕事にとりくみ、「仕事をして良かったね」という気持ちがもてるような人を育てていきたい。
今回の参加のみなさん
支部ニュース