時代が必要とする仕事に確信
城島英一さん(博多民商)
  父覚さんが1960年に設立した鉄工所を88年に法人化し、正式に事業を引き継ぎました。

 同年の商工新聞「ふくおか」にも掲載されたマシニングなどの先端設備もとり入れ、順調に商売を伸ばしてきました。バブル崩壊後の不況で厳しくなり、一昨年、売上が例年の4分の1まで減り、その上2件ほど手形にひっかかり、最悪の状況になりました。この状況をなんとかしようと、営業、会社訪問をおこないました。

 おりからのIT革命で半導体関連業界が勢いづき、去年の夏ぐらいから仕事が増えています。半導体関連は、製品の精度と品質管理が厳しく、納期が短いのがきついところですが、いまでは日曜日以外、従業員6人とバイト1人がフル回転で対応しています。これは町中という地の利と、一昨年の会社訪問が実を結び、多くのメーカーが顧客となったこと、「真剣細心の注意を払い、不良品はつくらない」という仕事への真摯な姿勢からきています。

 いまの仕事は、たとえば携帯電話の部品をつくるための機械の部品をつくるというもので、これがないと携帯電話ができないという、必要不可欠な部品の製作です。仕事は多岐にわたり、付加価値の高い製品をつくるのに技術を磨くことは大切ですが、ある程度の量をつくるためには機械に頼って合理的にやることが必要ですし、多品種少量製品になると熟練した技術、人材が必要と、両極端の要求にもフレキシブルに対応できるように日々努力をしています。

 鉄工といえば、不況業種の筆頭に掲げられますが、城島さんは「時代とともに変わり、時代が必要とする仕事として確信を持ち、将来も発展していく産業として、会社自体は大きくならなくても、小人数で確実な仕事をやっていきたい」と、語っています。

鰍lMF

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