水にこだわる手づくり豆腐
野田健二さん(門司民商)
工業学校を卒業後、満州に渡り現地で入隊、そのまま終戦を迎え、シベリアでの捕虜生活を経て、1949年(昭和24)に帰国、翌50年から父・仁智さんがやっていた豆腐屋を継ぐことにしました。順調に商売はすすみ、学校給食への納品や得意先も増えていきました。
83年(平成5)に奥さん(礼子さん)が亡くなってからもがんばっていましたが、85年1月にぎっくり腰と神経痛で動けなくなりました。この時から娘の都さんが、動けない野田さんの指示で、見よう見まねでの豆腐作りにとりくみました。しかし、なにせ新米ですから、それまで通りというわけにはいかず、学校給食への納品はやめました。今では、配達(個人商店、保育園、養護施設、老人施設、料理屋さんなど)とそれまでやっていなかった店売りでやっています。
とにかく、大豆の洗いなどから、機械任せにせず、手作りにこだわっています。とくに水は、水道水を使わず、近くの矢筈山の地下水をボーリングし、汲み上げて使っているため、カルキの味がせず、大豆の味の濃い豆腐ができます。
こうしたこだわり豆腐の評判が口コミで広がり、下関や小倉からも買いに来る人もでています。また、都さん発案の豆腐団子や豆腐ケーキ、おからのかりんとうなど新しい商品も好評です(要予約)。宣伝をすれば、もっと売れそうですが、今の状況では生産が追いつきそうになく、売れるのが怖い状態です。
仕事自体は朝が早いし、きついけれど、お客さんの「おいしい」の一言に励まされてやっています。いろいろな条件が重なり合って、都さんは、このまま商売を継いでいくのかどうか、今、悩んでいますが、できるところまでやっていこうと、親子2人で話し合ってがんばっています。
野田豆腐店
北九州市門司区大里東4丁目11―18
電話 093-381-1972