日本の文化を大事にして次につなげる思い


中村いそみさん(直鞍民商)

一人でも生きていけるようにと考えて、会社につとめながら、通信教育で美容師の免許をとり、福岡市のセントラル福岡の美容室で働き出しました。このとき、ブライダルの担当となり、着付けも本格的に始めました。

29歳のとき、お祖母さんが倒れたため、働いていたお母さんといっしょに世話をするために若宮に戻ってきました。30歳の時、自宅兼お店を今の場所に建て、開業。最初から貸衣装も手がけ、今では着付と貸衣装を中心に営業しています。しかし、なかなか営業がきびしいので、老後を考えて、夜はカット野菜の工場で働いています。昨年、お母さんが倒れたため、妹さんとデイケアを利用して、介護もがんばっています。

このようなきびしい状況でもやっていけるのは、都会と違って、お客さんとのつながりが商売だけでないアットホームな関係で、いろいろ助け合っているからです。そこから口コミで商売も広がっています。また、美容師友だち3、4人で組んで、忙しいときは仕事をまわしあいながらこなしています。

着付をするときは、きちんとした正統派の着付をします。それは、着付を頼まれる時というのは、ある意味、その人にとっての節目の時であり、その式典に対しての思いや重みを大切にしたいと思っているからです。また、日本の文化を大事にして、次につなげていきたいという思いも強く、学生の時からお茶や踊りもずっと続けています。

今は、とにかく仕事に介護に忙しく、睡眠時間さえままならない日々を過ごしていますが、一応60歳定年をめざして、ゆっくりとした自分の時間ももてる第2の人生を生きたいと思って、「この仕事がすき」ということを支えにがんばっている中村さんです。

にしき美容室

鞍手郡若宮町山口838
電話 0949-52-2930