これからも今のやり方をマイペースで


中村美津子さん(八幡西民商)

 地元のパン工場にパートとして働き始め、パンづくりの楽しさ、おもしろさに惹かれていきました。12年間のパート勤務の中で、店を一軒任されたことによって、作ることだけでなく、販売に対しても自信をつけ、独立の夢が頭をもたげてきました。経営コンサルタントや周りの人からは「むずかしいから、辞めとけ」と、言われましたが、欄間などの彫刻職人のご主人昭信さんからの「やりたいのなら、やってみればいい」の一言で、夏にはパートを辞め、独立の準備にかかりました。

 それまでのまじめで一生懸命な働きぶりからパート先の社長からもいろいろ便宜を図ってもらい道具などを揃え、88年12月末にパン工場の前にテントを張って、3日間売り出しをしての開業にこぎ着けました。立地条件の問題などもあって店は構えず、最初から移動販売を中心に行っています。そのための一番の苦労は、車を止めて売らせてもらう工場や会社、病院などを確保することでした。また、住宅街で、マイクを使っての営業は、製鉄城下町の八幡ならではの三交代制の人が寝ているので「うるさい」などの注意やおしかりを受けたこともありました。しかし、逆に「人のことを考える」「まわりをみる」ことに気づかされ、考えることを学びました。

 最近では、ファーストフードやコンビニの進出で厳しくなってきていますが、何曜日にはどこという、お得意さまもできましたし、民商の会議などの時は、事前に注文を受け、焼いて持って行くことなどもできるようになりました。

 これからも今のやり方をマイペースでやっていきたいと思っていますが、もう少し先では、時々、声がかかっている公民館活動や食進会での講師を、美津代さんはパンづくりを、昭信さんは彫刻でと、ふたりでやっていかれたら良いなあと、考えてがんばっている美津代さんです

 

なかよしベーカリー

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